鞆の浦は、広島県福山市鞆地区の沼隈半島南端にある港湾およびその周辺海域のことであるが、現在は鞆港の港周辺の市街を含めた範囲も鞆の浦と呼ぶことも多い。沿岸部と沖の島々一帯は「鞆公園」として国の名勝および国立公園に指定されている。なお、鞆の浦に含まれる島には仙酔島、つつじ島、皇后島、弁天島、玉津島、津軽島がある。
瀬戸内海の海流は満潮時に豊後水道や紀伊水道から瀬戸内海に流れ込み瀬戸内海のほぼ中央に位置する鞆の浦沖でぶつかり、逆に干潮時には鞆の浦沖を境にして東西に分かれて流れ出してゆく。つまり鞆の浦を境にして潮の流れが逆転する。「地乗り」と呼ばれる陸地を目印とした沿岸航海が主流の時代に、沼隈半島沖の瀬戸内海を横断するには鞆の浦で潮流が変わるのを待たなければならなかった。このような地理的条件から、古代より潮待ちの港として知られていた。
鞆の浦の港町である鞆には古い町並みが残り、江戸時代中期と後期の町絵図に描かれた街路がほぼすべて現存する。また、江戸時代の港湾施設である「常夜燈」、「雁木」、「波止場」、「焚場」、「船番所」が全て揃って残っているのは全国でも鞆港のみである。歴史情緒ある街並みや瀬戸内海を望む【カフェ】や【ホテル】でゆったりノスタルジックな気分に浸っていると、忙しい毎日で疲れている心も体も癒されるような港町である。
鞆の浦のシンボル「常夜灯」のすぐ手前には、「大蔵」と呼ばれる江戸時代築の土蔵を利用した【いろは丸展示館】がある。備後灘で1867年5月26日に起こった「いろは丸」と「明光丸」の衝突事件の概要を展示する博物館である。同館では、慶応3年(1867年)に備後灘で沈んだ「いろは丸」の引き揚げ物などの関連資料を、沈没状況のジオラマとともに展示、紹介している。
鞆港のほか、鞆町の東側にある小規模な漁港の原港、鞆港の南に隣接し港内に【造船所】『本瓦造船』本社工場のある平港がある。
鞆の浦の名産品【保命酒】は、「瀬戸内の養命酒」などと言われることもある薬味酒(リキュール)である。大坂から鞆に移り住んだ漢方医「中村吉兵衛」が万治2年(1659年)に製造を始めた。以後、保命酒は高級酒として全国に知られるようになり、備後福山藩からも特産品として保護された。現在、鞆の浦の醸造元のほか、JR福山駅や広島空港などの市内の土産物店や酒屋で販売され通販も行われている。
なお、交通アクセスは、福山駅南口から鞆鉄バス(5番のりば)51号線・52号線「鞆の浦」「鞆港」行きで約30分、「鞆の浦」下車となる。
物件
・海が見えるカフェ(食品)
・いろは丸博物館(観光)
・保命酒工場(食品)
・お寿司ホテル(観光)
・造船所(工業)
参考文献
[1] 鞆の浦 – Wikipedia
[2] いろは丸展示館 – Wikipedia
[3] 鞆の浦のカフェ・喫茶店をご紹介!
[4] 鞆の浦 a cafe|広島県にある瀬戸内の食材を使ったカフェ
[5] 【鞆の浦宿泊施設】鞆の浦のホテル・旅館 – 鞆物語
[6] 広島の港町「鞆の浦」で癒しの女子旅。プラン別おすすめホテル8選 | icotto(イコット)
[7] 保命酒 – Wikipedia